章: 第3章: PHP/Laravel運用連携
「とりあえず動いた」で本番に出すと何が起きるか
開発環境で動いたDocker構成をそのまま本番に持っていくと、深刻なトラブルが起きることがあります。「イメージタグが latest のまま」「パスワードが secret」「ヘルスチェックなし」——どれか1つでも本番環境で放置すると、障害や情報漏洩につながるリスクがあります。
このチェックリストを使えば、リリース前に抜け漏れなく確認できます。
なぜ本番前チェックが重要か
本番障害の多くは「確認不足」ではなく「確認項目を決めていなかった」ことが原因です。毎回同じ観点でチェックすることで、属人的なミスを組織的に防げます。
開発環境と本番環境の設定比較
| 項目 | 開発環境 | 本番環境 |
| イメージタグ | latest でも可 |
固定タグ(例: 1.2.3)を必ず使う |
| パスワード | 簡易でも可 | 強力なパスワード or シークレット管理 |
| ヘルスチェック | 省略可 | 必ず設定する |
| restart ポリシー | 不要 | unless-stopped または always |
| ログ設定 | デフォルトで可 | 収集先・ローテーションを定義 |
| ボリュームバックアップ | 不要 | 手順とスケジュールを確立 |
チェックポイント: イメージタグに
latestを使うと、気づかないうちに破壊的変更が入ったバージョンが起動する危険があります。本番では必ず固定タグを使いましょう。
本番リリース前チェックリスト
# Docker本番チェック
# - [ ] イメージタグが固定されている
# - [ ] .envの秘密情報が安全に管理されている
# - [ ] ヘルスチェックが設定済み
# - [ ] ボリュームのバックアップ手順がある
# - [ ] ログ収集先が定義されている
このチェックリストを CI/CD パイプラインに組み込むか、リリース手順書の冒頭に貼り付けて毎回確認する習慣をつけましょう。
まとめ & 次のステップ
- 本番では
latestタグを使わず、固定タグでイメージを管理する - 秘密情報は
.envに書き、シークレット管理ツールの導入を検討する - ヘルスチェック・restart ポリシー・ログ設定を必ず確認する
- ボリュームのバックアップ手順とスケジュールを事前に確立する
これで Docker Advanced シリーズ全12回が完了です。イメージ・Compose・ネットワーク・永続化・本番運用まで、実務で必要なDockerの基礎を一通り学びました。次は「PHP+Laravel Advanced」シリーズで、アプリケーションレイヤーの設計をさらに深掘りしていきましょう。